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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2017年6月1日(木)

【薬膳コラム】梅雨の食養生

 国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

 6月になると日本各地で梅雨に入り、じめじめとした蒸し暑い日が続きます。
人間は季節によって風、寒、暑、湿、燥という5つの気候変化を受けます。
熱を含めたそれら6つは六気といい、万物を生長させるのに必要なものですが、
六気が異常にあるいは急激に変化し、人体に抵抗力がないと、病気の原因と
なることがあります。これらは六気が風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、
熱邪(火邪)という邪に変じたもので、合わせて六淫と呼びます。


 この時期のまとまった雨は作物が育つ、夏の水不足を防ぐなど、
自然界に多大な恩恵をもたらしています。けれども外界の湿が邪となって
人体に侵襲すると、疲労倦怠、食欲不振、頭重感、目やに、手足のだるさ、
お小水の濁り、おりもの、下痢、軟便、湿疹や水虫など皮膚疾患、
むくみなど様々な症状が現れやすくなります。

 また「脾は湿を悪(い)む」といい、湿邪は脾の機能を停滞させます。
中医学の脾は西洋医学の脾臓とは異なり、消化吸収をつかさどるところを指します。
梅雨時期には脾に負担をかけないように、冷たいもの、生もの、油っこいものを控えて、
消化のよいものを摂りましょう。


 この時期に取り入れたい食材は、湿邪をお小水や汗で排出するはとむぎ、
小豆、黒豆、緑豆、春雨、アスパラガス、えんどう豆、きゅうり、冬瓜、
とうもろこし、とうもろこしのひげ、すずき、わかめなど、
脾の働きを正常にするうるち米、いも類、豆類、人参、鰯、牛肉など、
気の巡りを良くする紫蘇、たまねぎ、ピーマン、にんにくの芽、柑橘類などがあります。
体内にも湿がたまりやすく、気分も落ち込みがちになる時期ではありますが、
好みのお香を焚いたり、アロマオイルを使ったりして湿気をはらい、
おうちでゆったりする日があってもよいと思いませんか。
ストレスをためずに、快適に梅雨の季節を過ごせたらいいですね。


最後までお読み下さりありがとうございました。次の掲載は6月15日です。

平成29年6月1日
国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子