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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2025年1月15日(水)

【薬膳コラム】もち米

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

昨年起きた令和の米騒動は
記憶に新しいかと思います。
スーパーの店頭から米が消え、
新米が出てからも販売個数の制限や
価格高騰などがみられました。


そんななか、我が家では、
もち米を購入して、時々、
おこわを炊いていました。

炊飯器で炊く、旬の栗を入れたおこわ、
中華ちまき風おこわ、
朝ドラでヒロインの
恋人が召し上がっていたという
新潟の郷土料理である醤油おこわなど、

うるち米の代替と言ってしまうのは失礼な美味しさ、
もちもち感を堪能し、おなかが満たされ、
食の楽しみが増えました。


 もち米は古くは稲(とう)と呼ばれ、
粘るもので、醸(かも)して酒になり、
粢(しとぎ/もち)になり、
蒸して糕(こう/ケーキのような菓子)になり、
熬(い)って(煮詰めて)餳(あめ)になり、
炒って食べることもできると重宝されました。

もち米の粘り気のもとは
アミロペクチンというでんぷんです。


 うるち米ともち米を比較すると、
うるち米ともち米はともに食味は甘、
食性はうるち米が温めも冷やしもしない平性、
もち米は身体を温める温性です。

なので、もち米は寒い季節に
取り入れるといいです。


そして、両方に、中焦(=脾胃)を補い、
消化機能を促進させる(補中)、
人体の活動エネルギーである気を補い、
力をつける(益気)、消化吸収をつかさどる
脾の機能を正常にする(健脾)、
下痢症状を改善する(止瀉)作用があります。

さらに、もち米は固渋といって、
汗が出過ぎるとき、陰液の不足により
陽気が際立って寝汗が出るときに効果的です。

逆に、風邪のひきはじめで、
発汗させて邪気を体表から
追いはらいたいときには
不適と思われます。


腹持ちがいいのは長所であり、
消化しにくいという短所を
併せもつことになります。

痰湿といって、
身体の中に余分な水分が
たまっている方は常食を控えましょう。


  2025年1月15日

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子