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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2024年4月1日(月)

【薬膳コラム】ほたるいか

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

 ご入学、ご入社、おめでとうございます。
私は大学卒業後、製薬会社に就職しました。


入社式を終えて行われた研修期間中、
食事に出てきたほたるいかが格別、
美味しかったのを、
この時季になると思い出します。


それと同時に、初めて社会に出て抱く
希望や期待よりも緊張と
不安が大きく上回って、
口に苦いものがこみあげた
記憶がよみがえります。


中医学を学んだ今なら、
肝の疏泄がスムーズで
なかったのだと理解できます。



 ほたるいか(蛍烏賊)は
4~6センチほどの小さな烏賊で、
身体に多数の発光器があります。


深い海に生息し、晩春の産卵の頃、
浅瀬に集まり、海面に光を放ちます。
漁獲量の多い、富山県の滑川漁港では、
江戸時代には既にほたるいかの漁が
行われていたと伝え聞いています。


10年以上前、ほたるいかの内臓が
肝臓脂質を低下させるという
研究結果が発表され、
内臓ごと食べられるほたるいかが
美味しいだけでなく、
身体にもいいことがわかりました。



パスタやアヒージョなどの具材とするのは
最近覚えた調理法で、
茹でたほたるいかの酢味噌和えは
富山の家庭料理の定番といっていいでしょう。


今は流通がよくなって、
海から遠く離れた私の住む街のスーパーでも
茹でたほたるいかを見かける機会があり、
春の到来を感じられます。


子供の頃から美味しく
いただいていたほたるいかに、
心も身体も喜び、
食能以上のなにかが
得られるような気がします。


そして、新社会人の頃の
初々しい気持ちを忘れず、
また頑張ろうと自分を元気づけるのです。


きっと皆様にも、心に刻まれるような、
思い入れのある食物がありますよね。


 2024年4月1日


薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子