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<薬膳コラム>
2023年1月15日(日)
【薬膳コラム】シナモン
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
シナモンはクスノキ科ニッケイ属の
セイロンニッケイやシナニッケイなどの
樹皮を乾燥したもので、
世界最古の香辛料と言われています。
紀元前より、エジプトでミイラの防腐剤として、
使われてきたとも伝え聞きました。
また、古来、シナニッケイの樹皮(桂皮)は
生薬として使用され、中国最古の薬物学薯
「神農本草経」には、箘桂
(きんけい/桂皮で、幹や枝の皮の円筒形のもの)、
牡桂(ぼけい/桂皮、桂枝)が収載されています。
やがて日本にも伝わり、正倉院の薬物のなかに、
「桂心」という名で収められていました。
桂皮の入った処方は非常に多く、
体力が弱ったときの風邪の初期に
用いられる桂枝湯がそのひとつです。
さて、シナモンには樹皮を巻いて
乾燥させたスティック、
スティックを砕いたホール、
粉状のパウダーがあります。
シナモンは身体を温める熱性の食材で、
食味は辛甘、帰経は腎脾心肝、
その働きは陽気を助けて臓腑組織を温める、
寒邪を散らす、経絡を温めて血の流れを正常にする、
陽気を温通させて脈拍を強くする、
腎を温める、瘀血(血の滞り)を
散らして取り除くことです。
今は小寒、今月20日に大寒を迎えます。
大寒は「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」と
暦便覧に記されるように、
一年で最も寒い時季となります。
このときに、身体を温め、特に寒い冬の影響を
受けやすい腎を温め補うのは、
冬を健やかに過ごす秘訣です。
そうすれば、やがて暖かな春を健やかに迎えられます。
例えば、シナモンのような食材を
摂り入れてはいかがでしょう。
コーヒーやミルクなどの飲み物に
ちょっと加えるだけでも、
ほどよい辛さと甘み、香りを味わえ、
身体が温まります。
料理やお菓子にと使いこなせたら、
なお嬉しいですよね。
2023年1月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子