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<薬膳コラム>
2022年12月15日(木)
【薬膳コラム】干し柿
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
お歳暮に干し柿を頂戴しました。
ありがとうございます。
義母の好物でしたので、
お供えさせていただきました。
柿は幸せをかき集めるといわれ、
正月に食べると縁起が良いと
伝え聞きました。
柿には身体にこもった熱を取り除く、
肺を潤す、身体に必要な水分を生み出す、
咳を鎮める、のどや口の渇きを抑える、
酒の毒を排出する働きがあり、
発熱、熱による下痢、口内炎、から咳、
口渇、酒酔いによいとされています。
子どもの頃、庭の木から自分でもいだ柿は
格別に美味しかったです。
薬膳を学んで、柿は寒性の食物であると知りました。
柿を食べると身体が冷えるのを体感していたので、
冷え性の私は食べ過ぎないように気を付けています。
干し柿となると、その食性は身体を
冷やさない平に変わります。
本草綱目には温補といって、
温めて不足を補うとの記述がみられます。
そして、その働きは肺を潤す、
慢性的な下痢を改善する、
消化吸収をつかさどる脾を健やかにする、
出血を止める、肌を美しくすることで、
のどの乾燥や声のかすれ、から咳、
渋り腹、胃逆、消化不良、様々な出血、
しみによい食物です。
柿は干すことによってβカロチンが
生の約5倍に、カリウムが3.5倍に
増加します。
干し柿の表面にできる白い粉を霜と呼び、
本草綱目には上焦にあたる心、肺の熱を冷まし、
身体に必要な水分を生み出し、
のどや口の渇きを止め、
身体の不要な水分のかたまりである
痰を取り除き、嗽(せき)を落ち着かせ、
のどや口、舌の傷の痛みを治すと書かれています。
取り去らずにいだだきましょう。
2022年12月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子