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<薬膳コラム>
2022年12月1日(木)
【薬膳コラム】南天
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
実南天 二段に垂れて
真赤かな 富安風生
新牧野日本植物図鑑によると、
ナンテン(南天)は我が国の中部ならびに
その以南の暖地山中に自生してもいますが、
大体は装飾植物として家の庭などに
栽植される常緑灌木です。
秋冬の時季に多数の球状の漿果が
赤く熟して美観を呈します。
時に白い実のシロナンテン、
別名シロミナンテン、
また稀に淡紫色のフジナンテンがあります。
大学生の頃から慣れ親しんだ、
この図鑑の著者であり、
日本の植物学の父ともいわれる
植物学者の牧野富太郎氏をモデルとした
NHK朝ドラが来年、放映されるとのこと、
どのように描かれるのか、
とても楽しみにしています。
さて、ナンテンは中国では
葉や幹の姿が竹に似ていることから
南天竹あるいは冬に赤い果実が
目立って燭光が思い浮かぶことから
南天燭と呼ばれ、それにより
和名が付けられました。
音の響きから難を転ずるといわれ、
正月飾りにも縁起物として
重用されています。
ナンテンの生の葉には
殺菌作用があるといわれ、
赤飯の上に置いて贈答する習慣が
古くより伝わっています。
シロミナンテンまたはナンテンの果実
(南天実/なんてんじつ)は
消炎、鎮咳薬として、民間的に喘息や
百日咳に煎じて用います。
南天実乾燥エキスを成分とした
のど飴は家庭薬のロングセラー商品です。
2022年12月1日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子