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<薬膳コラム>
2022年7月15日(金)
【薬膳コラム】いわし
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
いわし(まいわし)は全長15~30センチ、
背は濃藍色、腹は銀白色を帯びた回遊魚で、
スーパーでよく見かけることができます。
いわし(鰯)の語源は陸に揚げると
すぐに弱ってしまうことから、
また、貴族は食べない卑しい魚という意味の
「いやし」の呼び名が転じたなど、諸説あります。
今回は比較的安価ないわし(食性食味/温甘鹹、帰経/脾肝腎心)の
ハイスペックな薬膳作用を挙げていきます。
人体を構成し、生命を維持する最も
基本的な物質である気を補います。
脈中を流れ、豊富に含んだ栄養を
全身に供給して潤す血を補います。
飲食物の消化、吸収をつかさどる脾を正常にします。
脾は摂取した飲食物から気血津液を生み出す気血生化の源で、
生命活動の維持に深く関わります。
血の流れをよくします。
精神不安や情緒不安を取り除きます。
脊髄を養い、脳髄を活性化し、
記憶力の増強と保持に働きます。
眼精疲労、涙目、目の充血、視力減退など
目の症状を改善に導きます。
質の良い筋肉をつけ、骨を強化します。
栄養面でいうと、血栓予防や脳機能維持に関与する
イコサペンタエン酸(IPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)、
たんぱく質、カルシウム、鉄分、ビタミンEなどが豊富です。
さて、気象庁は今年も猛暑になると予想しています。
体がだるくて疲れやすい、食欲がない、眠れないなど、
夏ばての方はいわしを召し上がってはいかがでしょうか。
もちろん季節を問わず、
いわしを賢く取り入れるとよいでしょう。
2022年7月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子