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<薬膳コラム>
2021年8月1日(日)
【薬膳コラム】大暑の候 いかがお過ごしでしょうか?
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
毎日、暑い日が続きますね。
いかがお過ごしでしょうか。
暑気あたり、暑さによる食欲不振や下痢、全身倦怠、
夏やせなどが現れたとき、清暑益気湯(せいしょえっきとう)
という方剤が服用されています。
その名の通り、暑気を清め、気を増やす薬で、
暑熱により身体に必要な水分である津液を消耗し、
津液とともにエネルギーともいえる気も消失したために生じる、
いわゆる夏ばてに用います。
この方剤の構成は中国明時代の「医学六要」に基づいたもので、
今はエキス剤があります。
中国清時代に著された「温熱経緯」の清暑益気湯における
生薬の内容はこれとは異なります。
注目すべきは西瓜皮(セイカヒ/西瓜の果皮)や
粳米(コウベイ/うるち米)が入ることです。
食物の西瓜は清熱、解暑、除煩、止渇、利水、解酒に働き、
暑気あたり、津液不足、口渇、五心煩熱、口内炎、むくみ、
尿の濁りによいとされています。皮にはより強い利尿作用があり、
西瓜の食能を生かしたいなら、なるべく白い部分まで摂るとよいでしょう。
西瓜のような、熱感、口渇、汗の出すぎなど
暑熱症状を和らげる解暑の食物はいんげんまめ、緑豆、
緑豆もやし、トマト、苦瓜、ココナッツ、パイナップル、
メロン、レモンなどです。暑さを乗り切るために取り入れたい食物です。
粳米は私たちが普段、食べているうるち米のことで、
補中、益気、健脾、和胃、除煩、止渇に働きます。
夏ばてに限らず、食欲不振や消化不良、下痢や嘔吐があるなら、
おかゆか重湯にすると、脾胃への負担が少なく、栄養を補えます。
暑さ厳しき折、薬膳の知恵を取り入れて、健やかにお過ごしくださいませ。
2021年8月1日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子