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<薬膳コラム>
2021年6月15日(火)
【薬膳コラム】あずき 赤小豆
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
梅雨の季節は暑くて雨が多く、湿度が高くてじめじめして、
身体だけでなく気持ちまでもなんだか重い感じになりませんか。
雨は生物を成長させるのに必要なのですが、
外界の湿が邪になり、人体に侵襲すると、
重だるさ、むくみ、食欲不振、下痢、水虫などの
皮膚疾患をもたらします。
小豆(あずき)には体内にたまった余分な水分をにじみ出して
お小水で排出させる、腫れやむくみを取る、
身体の余分な熱を去る、体内に蓄積した老廃物や病邪を
取り除く作用があります。
昔から脚気や妊娠浮腫などのある時、経験的に食されてきました。
小豆はたんぱく質や食物繊維、ビタミンB1やビタミンE、
カリウム、鉄が豊富で、アズキサポニンに抗動脈硬化、
赤い色素アントシアニンに抗酸化作用があるといわれています。
小豆はあんこで摂りすぎると、糖分が多くなり、
かえって利尿などの食能が発揮できないので、
味付けを工夫しましょう。生薬なら煎液にあたるゆで汁は
捨てずに調理に利用しましょう。
アズキの種子はセキショウズ(赤小豆)という生薬で、
傷寒論(麻黄連軺赤小豆湯/まおうれんしょうせきしょうずとう)や
金匱要略(赤小豆当帰散/せきしょうずとうきさん)の
方剤にも配合されています。
京都では、定期的に赤飯をいただく習慣があると伝え聞きました。
梅雨時期でなくても、水滞を解消するのにとてもよく、
時々は献立に取り入れたいですね。
利水をより促す胡麻塩も忘れずに加えましょう。
2021年6月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴