HOME > お知らせ・コラム一覧 > 【薬膳レシピ】百合根の五色きんとん ~薬膳お節~
<薬膳レシピ>
2020年12月15日(火)
【薬膳レシピ】百合根の五色きんとん ~薬膳お節~
今年も残すところ半月余りとなりました。
不自由さを強いられる生活の中で
例年通りといかない年の瀬ですが、
新しい年を迎えるにあたり、
良き年になりますようにと願いを
お節料理に込めてみませんか。
今月のテーマは百合根です。
おせち料理の百合根の由来は、
百合根の形がまるで花のように鱗茎(りんけい)が
幾重にも重なっている様から、
「年を重ねる」という意味で縁起をかつぎ、
お節料理に入れられるようになりました。
鱗茎の重なりあう姿が「和合」に通じ吉祥の象徴とみなされています。
五色
陰陽五行の五色は、日本文化では鯉のぼりの色や、
七夕の短冊、お守りの色で使われていて、
邪気祓い、魔除けの意味があります。
今回はお正月のお料理に百合根を使って
五色のきんとんを作ってみました。
百合根は乾燥で負担のかかる肺を潤したり、
お出かけができず、精神的に不安定になりがちな
精神を安定させる作用があります。
青:よもぎは寒さを散らし、経絡を温め血の流れを正常にします。
赤:赤ワインで、寒さで滞りがちな気血の流れを良くします。
黄色:山梔子(クチナシ)は、胸のあたりの熱感やイライラ、
不眠などを解消します。解毒作用もあります。
黒:黒ごまを使い、生命の源である精を蓄える『腎』を補い、滋養します。
可愛く丸型にしました。お節料理の一品にいかがでしょうか。
潤肺、温経散寒、疎肝理気、除煩、補腎
【材料】
百合根 250g(中ぐらい2個)
グラニュー糖 大さじ2
はちみつ 大さじ2
塩 少々
よもぎパウダー 小さじ1/2
赤ワイン 大さじ2
クチナシ 1個
黒ごま 大さじ1
【作り方】
①百合根は1枚づつはがして洗い、茶色くなった部分はそぎ切る
②湯がいて潰す。鍋に百合根、グラニュー糖、
はちみつを入れて火にかけ練る。5等分にする。
③よもぎパウダーは5倍のお湯で戻す。
赤ワインは鍋に入れて火にかけ蒸発寸前で
火を止め少しとろっとした感じになる。
クチナシ1個に500mlの水で15分煮出す。
少ししか使わないので残りの煮出汁は、
くわいやさつまいもを煮る時に使う。
黒ごまは擦っておく。
これらを5等分した百合根に色付けして丸める。
色付けした百合根は柔らかくなっているので、
少し時間を置いて丸くする。
【食材】 | 【性味】 | 【帰経】 | 【効能】 |
百合根 | 平/甘微苦 | 心肺 | 潤肺、止咳、清心、安神 |
よもぎ | 温/苦辛 | 肝脾腎 | 散寒、温経、止血、化湿、補血、健胃 |
ワイン | 温/酸甘渋辛 | 心肝脾 | 理気、疏肝、解鬱、安神 |
クチナシ (山梔子) |
寒/苦 | 心肺肝胃三焦 | 瀉火、除煩、清熱、利湿、涼血、止血、解毒 |
黒ごま | 平/甘 | 脾肺肝腎 | 補腎、補肝、滋陰、健脳、補血、潤燥、通便 |
薬膳食典 食物性味表
レシピ担当:栄養士、国際中医薬膳師、中医薬膳茶師
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師
野田知子