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<薬膳コラム>
2020年7月15日(水)
【薬膳コラム】トマト
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
トマトは通年、店頭でみられますが、
今の時期に出回る露地ものが味も独特の香りも濃くて、
果汁も多く、美味しいですよね。
トマトは解暑(げしょ)といって、夏の邪気である
暑熱の不快感を取り除き、暑気あたりによいです。
口の渇きを止めます(止渇/しかつ)。
発汗などで消耗した身体に必要な水分(津液/しんえき)を
生み出します(生津/しょうしんあるいはせいしん)。
こうして、トマトの持つ薬膳の働きを挙げていくと、
夏に美味しい食材であるだけでなく、
夏にふさわしい食材だと思いませんか。
食性は微寒、やや身体を冷やすので、
夏以外の季節では控えた方がよいかと思われます。
また、トマトは上亢した肝気の流れを正常に戻す
平肝(へいかん)という働きがあり、イライラやのぼせ、
頭痛を鎮めます。暑さによって弱まった胃の働きを健やかにし、
胃もたれや消化不良を改善します(健胃、消食/しょうしょく)。
トマトが含有する赤い色素成分であるリコピンの酸化作用は
βカロチンの2倍、ビタミンEの100倍ともいわれています。
リコピンはがん抑制、心臓病、脳卒中など生活習慣病の
予防の観点から注目されていて、ケチャップなどのトマト製品にも多く含まれます。
2020年7月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子