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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2020年2月15日(土)

【薬膳コラム】スパイスはくすり

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。



皆様の食卓にはスパイス、薬味といわれるものは何がありますか?

刺身にわさび、とんかつにからし、うなぎに山椒、うどんに七味唐辛子、
ラーメンに胡椒、冷奴に生姜やねぎなどお使いかと思います。
香辛料は刺激物なので身体に悪い、とらない方がよいといわれていました。
近年は花椒や唐辛子などをふんだんに使ったしびれ鍋がブームになっています。



スパイス、薬味などの辛味の食材は発散、行気、活血の働きがあり、
邪気を散らし、気血の流れを促し、肺、大腸、皮膚の機能を補います。
スパイスは香りづけ、味つけ、カレーやパエリアなどの色づけに、
肉や魚の臭み取りなどに用いられ、抗菌、抗かび、殺菌にも働きます。



スパイスのなかには生薬もあり、茴香(ういきょう/フェンネルシード)、
鬱金(うこん/ターメニック)、山椒、小豆蒄(しょうずく/カルダモン)は芳香性健胃薬です。

桂皮(けいひ/シナモン)は解熱、鎮痛、健胃に作用し、頭痛、熱、のぼせ、風邪などによく、
葛根湯(かっこんとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、
小建中湯(しょうけんちゅうとう)など汎用されています。

スパイスでもあり、胃の冷えによい丁字(ちょうじ/クローブ)、
生姜(生薬名はしょうきょう/ジンジャー)は主薬の柿蔕(柿のへた)に協力して、
柿蔕湯(していとう)という方剤となり、しゃっくりを治します。

山椒、乾姜(かんきょう/生姜を湯通しまたは蒸したもの)のスパイスと
人参を配合した大建中湯(だいけんちゅうとう)は消化管を温める作用が強く、
おなかが冷えて痛み、腹部膨満感のある方に有効です。



調味料としての役割だけでなく、食薬ともなりうるスパイスを
うまく料理に取り入れると薬膳になりますよね。
身体に熱を持ちやすい方は温めすぎるとかえってよくないので、
おひとりおひとりの適量を見極めましょう。



2020年2月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子