HOME > お知らせ・コラム一覧 > 【薬膳コラム】 あけび 木通
<薬膳コラム>
2018年10月1日(月)
【薬膳コラム】 あけび 木通
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
皆様はあけびを召し上がったことがございますか。熟したあけびはねっとりとしていて
果物特有の甘さがあります。あけびの果皮も食べられることはその後、知りました。
あく抜きをしてから和え物、炒め物、揚げ物などに調理すると美味しいようで、
いつか機会があれば、果皮も捨てずに使ってみたいです。
春にたまたま、あけびの新芽が手に入り、つる状になったそれを湯がいて
お浸しにしていただきましたところ、独特のほろ苦さを感じました。
あけびの果実は身体の余分な水を排泄する、お小水の出にくい状態を改善する、
身体の熱を冷ます、母乳の出をよくする働きを持っていて、むくみ、膀胱炎、
のどの痛み、口内炎、母乳不足のとき、食薬としても用いられます。
効能のある部分は果実より木部に多く、アケビやその同属植物の蔓性茎は木通(もくつう)
といわれる生薬で、湿熱を除き、お小水を出し、血液が血管内に滞りなくゆきわたるよう働きます。
中国最古の薬物書「神農本草経」などの古典には蔓に細いあながあり、通っていることから、
通草(つうそう)と記されていました。
木通は排尿痛、残尿感、尿の濁り、おりものを改善する竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、
月経不順、月経痛、更年期障害、腰痛、便秘、打撲、高血圧症などに用いる
通導散(つうどうさん)などに配合されています。
平成30年10月1日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子