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<薬膳コラム>
2025年3月15日(土)
【薬膳コラム】陳皮
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
この冬は天候の影響により、
みかんの収穫量が少なく、
価格が高騰しました。
みかん(食性食味:涼甘酸、帰経:肺胃)には、
肺を潤し、痰を取り除く、
身体の余分な熱を冷まし、津液を生みだす、
気の巡りをよくして、食欲を促す作用があります。
たとえば、熱っぽい、少し汗が出る、顔が赤い、
鼻がつまる、黄色い鼻水や痰が出る、
口渇があって水分をほしがるなどの症状があったら、
召し上がるとよいでしょう。
みかんを食べると、
ビタミンCを生で効率よく摂ることができます。
また、みかんに多く含まれるβ-クリプトキサンチンは
抗酸化作用が高く、健康面で注目されています。
みかんの皮もβ-クリプトキサンチンを含有しています。
成熟したウンシュウミカンの乾燥果皮は
陳皮(ちんぴ)といわれる生薬で、
性味は温辛苦、帰経は脾肺、気を巡らせる、
消化吸収をつかさどる脾を健やかにする、
湿邪を乾燥させて取り除く、
水分代謝の失調によって
生じた痰を取り除く働きがあり、
胃腸が弱い方の不眠症や
神経症に用いる温胆湯(うんたんとう)、
胃腸が弱く、食欲がない、
疲れやすい方によい六君子湯(りっくんしとう)、
悪心や嘔吐に効く二陳湯(にちんとう)、
風邪薬の香蘇散(こうそさん)などに配合されています。
みかんの皮は医薬品的効能効果を標ぼうしない限り、
医薬品と判断しない食薬区分に属し、
薬膳にも利用できます。
実際、老舗店の七味唐辛子に入っています。
柑橘類には気を巡らせるものが多く、
オレンジ、きんかん、グレープフルーツ、
シークワーサー、すだち、文旦、
柚子などの果肉や柚子皮、レモン皮がそうです。
春は肝の疏泄作用がうまくいかなくて、
いらいらする、気持ちが落ち込む、
胸苦しい、おなかが張る、
食欲がないという症状が現れます。
そんなとき、大いに取り入れましょう。
陳皮は古い物ほど良いとされていて、
その名が付きました。
ご家庭で食べた後の皮を
天日干しして使用するなら、
充分に乾燥させてから、
密閉容器に入れて保存しましょう。
2025年3月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子