HOME > お知らせ・コラム一覧 > 【薬膳コラム】春菊
<薬膳コラム>
2025年2月15日(土)
【薬膳コラム】春菊
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
春菊は春に黄色の花を咲かせ、
葉の形が菊に似ていることから、
その名が付きました。
旬は11月から3月で、
この時期に収穫されるものは、
茎や葉が柔らかく、香りも高いです。
春菊は主におひたしや鍋物、
味噌汁の具材などにします。
サラダ用なら生食も可能です。
春菊は本草綱目に、
茼蒿(とうこう)という名で記載され、
心氣を安んじ、脾、胃を養い、
痰飲を消し、腸、胃を利すと、あります。
現代の薬膳食典によると、
春菊(食性食味/平辛甘、帰経/肝肺心脾胃)は、
精神不安や情緒不安を取り除く、
肝の熱を取り除く、胃を養い、
脾胃を和やかにする、
水分代謝の失調により生じた痰を取り除く、
肺を潤す、お通じをよくするように作用します。
さらに、春菊は豊富なβカロチンと
ビタミンCの相乗効果で、肌荒れやしみを予防し、
αピネン、ペリルアルデヒドなど多くの香り成分が
自律神経を整えるといわれています。
今は陰気が減り、陽気が増える陰消陽長の時で、
これから気温が徐々に上昇し、暖かくなります。
人間も自然界の変化に伴い、
陽気が満ちてきて活動的になってきます。
けれども、陽気が人体の上部に上(のぼ)ったり、
春の季節の影響を受けやすい
肝の疏泄作用がうまくいかなかったりすると、
眩暈や高血圧、不眠やいらいら、
梅核気(咽頭部に梅のようなものがひっかかっているような異物感)、
食欲不振などが現れることがあります。
そんなとき、香り高い春菊を
取り入れてみるとよいでしょう。
2025年2月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子