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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2024年10月15日(火)

【薬膳コラム】梨

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

 慌ただしいお盆が過ぎて、
少し暑さも和らいできた頃、
のどがいがらっぽく、
声が出にくくなりました。

漢方薬も服用していましたが、
時々せき込んでしまい、
似たような症状の孫と一緒に、
梨のすりおろしを食べていました。

おかげさまで、二人とも良くなり、
薬局で患者さんにも勧めています。


 梨は肺を潤し、咳を鎮め、
痰を取り除く働きがあります。
身体に必要な水分を生み出して、
潤すことで乾燥状態を改善します。
身体の熱を取り除きます。

口渇、痰の多い咳、煩渇、声がれ、
肌荒れ、咽喉疼痛、胃陰虚による胃痛、
盗汗、酒酔いのある時に適しています。


 梨は神農本草経とほぼ同時期に
編纂されたという名医別録では
「多く食せば、人をして中を寒せしむ。」
と記され、食薬としてはあまり着目されず、
副作用が多いので長期間服用しては
いけないとされる下品に
分類されています。

古代は病といえば、
多くは風寒(風邪が寒邪を伴って
人体に侵襲する病症)で、
用いる薬は桂枝、附子のような身体を温め、
寒邪を祓うものであったから、

梨に風熱を治し、肺を潤し、
心を涼し、痰を消し、火を消し、
毒を解する効力があると
知られなかったのだろうと、
後に解釈されています。


 暑い夏の時季、大いに汗をかき、
身体に必要な水分(津液)と気が
身体の外に出ていきます。

秋は空気の乾燥が起こって、
気温も下がり、燥を嫌い、
寒熱に弱い肺を傷めやすく、
風邪などの感染や呼吸器系の疾患が
現れやすい季節です。

肺を潤し、いたわる梨を
取り入れるといいですね。
ただし、梨は身体を冷やす
涼性の食材なので、
食べ過ぎには注意しましょう。 

 2024月10月15日

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子

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