一覧

  • 薬膳とは
  • 薬膳キャンパスの活動
  • 講座情報
  • イベント情報
  • メディア情報 活動実績
  • お知らせ コラム

HOME > お知らせ・コラム一覧 > 【薬膳コラム】ふじまめ 扁豆

お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2024年8月1日(木)

【薬膳コラム】ふじまめ 扁豆

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

皆さんは、ふじまめに
馴染みはございますか。

 

 ふじまめは夏に収穫される野菜です。
さやの形が千石船に似ていることや
たくさんの実をつけることから、

東海地方では千石豆と呼ばれ、
石川や富山辺りでは
つるまめといわれています。


実家の畑でも作られ、この時季、
煮物にして食卓に上げられるのですが、
こどもの頃は独特の
青臭さがとても苦手でした。


 マメ科フジマメの成熟種子は
扁豆(へんず)、白扁豆(びゃくへんず)
という生薬です。

扁豆には消暑化湿(暑さを消し、
体内の余分な水分を取り除く)の働きがあり、
夏向きといえるでしょう。

そして、健脾化湿(消化吸収をつかさどる
脾を健やかにし、脾胃に停滞している
水分を取り除く)にも働き、

胃腸が弱くて食欲がなく、
下痢や軟便気味の方が服用する
参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん、
じんりょうびゃくじゅつさん)に
配合されています。

さらに、扁豆は解毒に作用し、
酒、魚介類、ふぐなどの中毒による
嘔吐や下痢、腹痛には
単味の粉末や煎じ汁を用います。


実家の畑でたくさん穫れる
夏野菜は食べきれず、
煮物になることも多く、
祖母が作ってくれた
きゅうりのあんかけも、
なすそうめんも、苦手でした。

きゅうりは身体の熱を冷ます、
津液を生み出して渇きを癒す、
余分な水を尿で排出させる、

そして、なすは身体の熱を冷ます、
利尿させる、脾胃の機能を
整える働きがあり、
暑い夏を健やかに過ごすに
必要な食材と気づきました。

ふじまめもそうです。
「親の心、子知らず」を
思い知りました。


きゅうりのあんかけとなすそうめんは、
大人になってその美味しさが
わかってきました。

ふじまめの煮物は上手に
調理できる自信がありませんが、
懐かしい味を思い出しながら、
煮干しで出汁をとり、
厚揚げと一緒に煮てみましょうか。  


  2024月8月1日

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子