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<薬膳コラム>
2024年2月15日(木)
【薬膳コラム】目の不調を改善する食材
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
中医学では、目は肝の竅(きょう)、
心の使であり、
五臓六腑の精気はすべて上がって
目に注ぐといわれています。
目は精明とも呼ばれ、
「万物を視て白黒を別ち、
長短を審らかにするところ」
(素問・脈要精微論)です。
目は肝の経脈とつながっており、
肝の血の栄養や肝の気の疏泄が
深く関わっています。
目に栄養や潤いを与える
肝血が不足すれば、
かすみ目や夜盲症、視力低下、
目の充血、眼精疲労、ドライアイなど
目の不調が現れるようになります。
肝気の疏泄がうまくいかないと、
肝血を蓄えることや
血液の輸送がうまくいかなくなり、
目に栄養が届かず、不調をもたらします。
伴う症状を挙げていくと、
原因とその対策がわかります。
顔や爪の色が悪い、
手足のしびれなどがあるなら
肝血の不足によるもので、
肝を養って血を補いましょう。
過労や睡眠不足、ストレスがある、
いらいらするのなら、
肝気の滞りによるものです。
疏泄を促し、気の流れと血流を
よくしましょう
耳鳴りやほてりがあるのなら、
慢性病や加齢、
長期的な肝血の不足によって、
肝が蔵する血だけでなく、
肝の親である腎が蔵する
精が乏しくなっています。
肝と腎の陰液を補いましょう。
薬膳には明目といって、
目の不調を改善する食材があります。
肝を養い、肝血を補うには
人参、あんきも、さば、牛・豚レバーなど、
肝気の流れをよくするには
アロエ、菊花、いわしなど、
腎も補う黒米、モロヘイヤ、カシス、
ブルーベリー、ラズベリー、あわび、
うに、さざえ、ししゃも、鶏レバー、
決明子の成熟種子を炒ったハブ茶などを
取り入れるとよいでしょう。
中華料理のトッピングに
よく使われる枸杞の実は
目の機能を回復し、
肝と腎の陰液を補います。
たっぷりいただきましょう。
私達はついついパソコンや
スマートフォンの画面を見続けて、
目を酷使した毎日を送っています。
たかが目の疲れと侮っていると、
目を滋養する肝血が
どんどん消耗していきます。
たまには、画面から目を離して
遠くを見るなど目を休める
時間を作りましょう。
2024年2月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子