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<薬膳コラム>
2024年1月15日(月)
【薬膳コラム】たら
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
年末年始は何かにつけて
慌ただしかったのではないですか。
年が明けて早15日、
ようやく落ち着いてきたように思えます。
お疲れが出ていませんか。
私は食べることでなんとか
乗り切っています。
旬のたらが美味しいです。
子どもの頃、寒い日に祖母がぶつ切りにしたたらを
お味噌汁にしてくれました。
本来のたら汁はスケソウダラの身、
頭、肝、白子(精巣)、真子(卵巣)などを
鍋に入れて煮る漁師料理です。
故郷を離れた今、鍋物にするようなたらが手に入ると、
祖母の味を再現しようと調理します。
それには、慣れ親しんだ米麹の味噌と
粗めに刻んだ葱は欠かせません。
たら(食性食味/平鹹甘、帰経/肝腎脾)には
気と血を補う働きがあり、気と血が不足して、
息切れや疲労を伴うときによいとされています。
また、たらは消化吸収をつかさどる
中焦(脾胃)を補うので、
食欲のないときに召し上がるとよいでしょう。
さらに、水分代謝がうまくいかなくて、
生じた痰を取り除く、
身体に不必要な水を排泄させる、
酒の毒を解する働きがあり、
たらはお酒を飲む機会のある方にも
おすすめしたい食材です。
たらこというと、スケソウダラの卵巣を
塩漬けしたものが思い浮かびますが、
マダラの卵巣の煮つけは祖母の得意料理でした。
食べず嫌いの方が多い白子も
酢の物や汁物で食卓に並んでいました。
こうして思い返すと、たらだけでなく、
両親や祖父母のおかげで、旬の美味しくて、
その時季の身体によいものをいただいて
育ってきたのだと、感謝しています。
2024年1月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子