2023年12月1日（金）

【薬膳コラム】母乳の出をよくする食材

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師　伊東千鶴子です。

先日、孫が生まれました。
おかげさまで、健やかに成長しています。

出産は大仕事です。
生命の原動力である気と臓腑組織を栄養し、
精神を支える血を著しく消耗します。

気血ともに不足すると、元気がなくなり、
疲れやだるさを感じ、眩暈や心悸、
手足のしびれなどが現れます。
気と血を補い、それを改善していきます。


妊娠によって大きくなった子宮を元に戻す、
出産によって生じた傷を回復させる、
悪露を出し切るには、血の巡りをよくし、
瘀血を取り除きます。


また、睡眠不足や慣れない
育児がストレスとなり、気鬱になったり、
いらいらしたりするなら、
気の巡りをよくすることも必要でしょう。



とにかく産後は決して無理をせずに、
身体を休ませましょう。

母になった娘には漢方薬を服用させ、
食物性味表を携えて、施膳していきました。


　薬膳には通乳といって
母乳の出をよくする食材があります。

最近の授乳事情について詳しくはわかりかねますが、
タレントさんが赤ちゃんを産んだ女性に、
母乳かミルクか尋ねて炎上したのは知っています。

それほど、デリケートな領域です。
ミルクを作って飲ませてくれるパパもいると
伝え聞いています。


自分語りですが、自営で働いていた私にとって、
授乳が貴重な休憩時間でした。

泣かれても母乳を与えれば、
なんとかなったように憶えています。
ワンオペという言葉もなかった時代のことです。



　豆腐、えんどう豆、金針菜、まこもだけ、
レタス、オレンジ、ココナッツ、パパイヤ、
かぼちゃの種、落花生、鮎、あわび、海老、
鯉、しじみ、鯛、太刀魚、豚足などが
母乳の出をよくする食材です。


そのなかで、豚足は産後の通乳を促し、
出産で消耗した気と血、腎精を補います。

豚の足は肉よりも脂肪分が少なく、
肌や髪を健やかにする
コラーゲンやエラスチンが豊富で、
老若男女問わず、
召し上がっていただきたいです。

　２０２３年１２月１日

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師　伊東千鶴子