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<薬膳レシピ>
2023年10月15日(日)
【薬膳レシピ】新米の塩にぎりと秋のおかず ~肺の養生~
今月のテーマは米で、
新米が美味しい時期です。
私は毎年新米で最初に
塩にぎりを作ります。
この時期ならではのご馳走です。
うるち米は、乾燥に弱い秋の
五臓『肺』の気を滋養します。
消化器官を温め消化良く、
半月もすれば立冬を迎える
季節の変わり目の養生にピッタリです。
そして秋のおかずとして、
出汁巻き卵はいかかでしょうか。
必須アミノ酸のバランスが良く栄養価の高い卵は、
肌や体内の乾燥症状を潤す効能があります。
コリコリ食感のキクラゲは佃煮にしてみました。
黒キクラゲは肺を潤すことにより、
咳を鎮めたり、痰を吐き出しやすくします。
白ごまは、肺と表裏の関係である
大腸を滑らかにし便通を促します。
春菊のおろし和えの春菊も肺を潤し、
便通をよくします。
大根おろしは、消化を助け、
体に溜まった余分な水分を排出させます。
益気 健脾 滋陰潤肺
【材料】
米 1合
塩 3~4g
《出汁巻きたまご》
卵 3個
出し汁 45~50ml
塩 ひとつまみ
みりん 小さじ1/2
油
《佃煮は作りやすい分量で常備食になります》
黒キクラゲ 乾燥20g
砂糖 小さじ2
みりん 大さじ2
酒 大さじ1
醤油 大さじ2
白ごま 大さじ1
《春菊のおろし和え》
春菊 50g
大根おろし 40g
お好みで醤油かポン酢
【作り方】
①炊き立てのご飯に塩を混ぜる。
塩加減はお好みで。
画像は3合です。
私は、炊き立てのご飯に塩を振り入れ、
水分を飛ばすようにして切るように
しゃもじで混ぜます。
熱いうちに手に水を付けてにぎります。
手にあまり力を入れ過ぎないように2回にぎり、
後は形を整えるぐらいにしてください。
頼りない気がしてもちょうどよくなります。
※手に力を入れ過ぎたり、
何度もにぎり返したりすると
かたくて米粒がつぶれますので、
ポイントは「優しく手早くにぎる」です。
せっかくの新米です。
つやつやで美味しいおにぎりを
召し上がってください。
②卵をボールに割り入れ溶きほぐし、
出汁、塩、みりんを加えて混ぜ合わせる。
出汁巻きたまごは弱火で焼くと
べたっとした仕上がりになりますので、
弱火~中火ぐらいで手早く焼きます。
*出汁巻きたまごの味付けですが、
私は関西人ですので普段は出汁と
塩だけで焼いています。
みなさまは、お家やお好みの
味付けで作られてください。
③キクラゲを洗ってぬるま湯に
浸けてもどす。
もどしたキクラゲは、
石づきを取りひとくちに切る。
鍋にキクラゲ、調味料を入れ中火にかけ煮たたせる。
味がなじんだら白ごまを加え
弱火にして汁けがなくなるぐらいまで煮る。
④春菊は洗ってサッと湯がき絞って
5センチ幅に切る。
大根おろしとあえて、
醤油かポン酢のお好みでかける。
食材 | 性味 | 帰経 | 効能 |
うるち米 | 平/甘 | 脾胃肺 | 補中、益気、健脾、和胃、止瀉 |
鶏卵 | 平/甘 | 肺脾胃心腎 | 滋陰、養血、養心、安神、安胎 |
黒キクラゲ | 平/甘 | 胃大腸 | 涼血、止血、養血、理血、潤肺、 止咳、通便、抗癌 |
白ごま | 寒/甘 | 大腸 | 潤腸、通便、解毒、生肌 |
春菊 | 平/辛甘 | 肝肺心脾胃 | 化痰、清肝、潤肺、安神、養胃、 和中、通便 |
大根 | 涼/辛甘 | 肺胃 | 消食、化痰、下気、寛中、生津、利湿 |
薬膳食典 食物性味表 第2版
栄養士、国際中医薬膳師、中医薬膳茶師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師
野田知子