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<薬膳コラム>
2023年6月1日(木)
【薬膳コラム】ライチ
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
ここ数年、思い通りに行動できなかった
コロナ禍において、
6月の贅沢なお楽しみは
生のライチをお取り寄せすることでした。
ライチは中国では紀元前から
栽培されていて、
楊貴妃も好んで口にしたと
伝え聞いています。
ライチは身体を温める温性、
甘酸味の食物で、津液を生み出す、
血を養う、気の巡りをよくする、
消化吸収の機能を健やかにする、
中焦(脾と胃)を温める、
肺と胃の気が上逆するのを治す
働きがあります。
現代栄養学からいいますと、
葉酸、カリウム、ビタミンE、
B1、B2、B6、食物繊維などを含みます。
ライチの皮を丁寧にむいて食べると、
その瑞々しさと甘さによって、
幸せな気持ちになれました。
子どもの頃、この時季になると、
父が買ってきてくれて、
一粒ずつ大切に食べたさくらんぼも、
中国のスーパーや夜店で山積みにして
売られていて、珍しさに惹かれて
食べたマンゴスチンも、
美味しくて満ち足りた思い出です。
梅雨に入ると、
気分がすぐれないことがあるでしょう。
湿邪が陽気を傷つけるのです。
暑くてじめじめした、
うっとうしい季節を心身ともに
健やかに乗り切るために、
自分を癒す方法を探してみませんか。
部屋にお香を焚いて湿気を取る、
お風呂に浸かって皮膚表面からの発散を
促すのもいいですね。
美味しいものを食べると、
気分転換になるかと思います。
ですが、甘いもの、脂っこいもの、
生もの、水分の摂り過ぎは、
身体のなかに湿をためてしまい、
かえって体調を損ねるので、
適量を心がけていただきましょう。
2023年6月1日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子