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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2023年4月15日(土)

【薬膳コラム】山菜の美味しい季節 こごみ

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。


春は、古いものを推し開いて、
新しいものを出す季節です。
万物が生長、発育し、自然界に陽気が増え、
次第に気温が上昇して暖かくなると、
人間も陽気が満ちてきて活動的になってきます。


野山ではうど、こごみ、ぜんまい、たらのめ、
ふきのとう、ふき、わらびなど、
様々な山菜が姿を現れます。
これらの山菜は清熱、瀉火、燥湿、降気、
解毒、健胃の特徴のある苦味という
食物の働きを持っています。



古くより「春は苦味を盛れ」と、
いわれています。
この時季に摂る苦味のものは寒い冬の間、
閉じこもっていた私達の身体にため込んだ
不要な物を排出するよう、解毒の働きをします。


それは暖かな春に、動き出そうとする
私達の助けとなります。


また、陽気の上昇に伴って生じる
のぼせやほてり、めまい、
いらいらといった症状を、
身体にとって余分な熱を取り除くことで、
改善させます。



こごみは他の山菜に比べると、
あくが少なくて調理しやすく、
食べやすい食材です。


こごみは植物名をクサソテツといい、
多年性のシダの一種です。
越冬した地下の株から、渦を巻いた
緑色の新芽が出てきます。
食用するのはその時期のものだけです。


こごみという名前の由来は、
芽が出てくる様子が、
人が小さく屈(かが)んでいるようだからと、
伝え聞いています。



こごみ(食性食味/涼苦甘、帰経/肝腎)は
清熱、解毒、涼血の働きがあり、
カリウム、βカロチン、ビタミンE、K、Cや
抗酸化作用の強いクロロゲン酸、
食物繊維などを含有しています。


   2023年4月15日

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子