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<薬膳コラム>
2023年3月15日(水)
【薬膳コラム】枸杞の実
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
赤い枸杞の実は枸杞子という生薬で、
中国では古くより、不老長寿の薬といわれ、
七宝美髯丹(しっぽうびぜんたん)、
亀齢集(きれいしゅう)、亀鹿二仙膠(きろくにせんこう)、
清宮寿桃丸(しんぐうじゅとうがん)など、
老化防止の処方に配合されてきました。
枸杞子は性味が平甘、肝腎かなめの肝と
腎を滋養して、眼精疲労やかすみ目、
夜盲、視力低下など目の疾患を改善し、肺を潤します。
枸杞子が明目子と別名で呼ばれるのも、納得です。
現代の研究では、血糖値やコレステロール値の低下、
動脈硬化の予防などで注目されています。
栄養面に焦点を当てると、
枸杞子は炭水化物、脂質、たんぱく質やβカロチン、
ビタミンE、K、B1、B2、B6、C、ナイアシン、
葉酸、パントテン酸、ビオチンのビタミン、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、
マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、
ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンのミネラルといった
多種類の人体に必要な成分を含有することがわかります。
枸杞子は身体に良くて、そのまま食べても美味しく、
料理に取り入れると、彩りが美しく映えるので、
もっと食用に浸透してもいいと思いませんか。
私は時々、乾燥した枸杞葉と枸杞子、
菊花を合わせたお茶を飲んでいます。
枸杞子と菊花を六味地黄丸に加えると、杞菊地黄丸です。
2023年3月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子