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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2022年10月1日(土)

【薬膳コラム】かりん

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

 かりんの実をいただいたことがあります。

りんごほどの大きさで、
黄色く、少しいびつな楕円形、
表面はつやつやしていて、
例えようのない甘い香りがしました。



 かりんは、食性は平、食味は酸渋、
帰経は肺脾、咳を鎮める、水分代謝の
失調によって生じた痰を取り除く、
潤すことで乾燥状態を改善する、

身体に必要な水分である津液を
生み出す作用により、から咳や痰が出る時、
津液不足の時に適していて、
疲労回復にも寄与します。


かりんは生食すると青酸中毒を起こすので、
アルコール漬けやジャム、
シロップなどにします。

私は種を外さずにいちょう切りしたかりんを、
肺を潤して咳を止める作用のある蜂蜜に漬けました。


かりんの成分が溶け出たシロップを甜杏仁で
作った杏仁豆腐にかけたり、
のどの調子がよくない時に、
お湯で薄めて飲んだりしていました。


また、経絡を温め、寒邪を散らし、
血の巡りをよくするという焼酎で作ったかりん酒を
寒い夜に飲むと、身体が温まりました。



明時代、李時珍が著した本草綱目に、
かりんは榠樝(めいさ)という名で酒を解し
(酒毒を取り除く、二日酔いを解消する)、
痰を去ると書かれています。



また、榠樝の気は辛香であって、
これを衣箱中に入れて置けば、
蠹(と/きくいむし、衣類や書物を食うしみ)、
蟲(ちゅう/むし)を殺すという記述もありました。


かりんの香りが好きで、車のなかや部屋に
置いておきたいけど楽しめる時期は短くて、
かりんののど飴があるのだから、

かりんの芳香剤もあったらいいのにと思うほどです。


一つ一つ榠樝(かりん)は癒すもののかたち    川崎展宏


2022年10月1日


薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子