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<薬膳コラム>
2022年9月15日(木)
【薬膳コラム】おうちで薬膳 杏仁豆腐
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
中華料理店でいただくデザートのなかで、
よく知られている杏仁豆腐は、
実はれっきとした薬膳料理なのです。
アーモンドエッセンスを代用した杏仁豆腐が出回っていますが、
本来は杏仁(きょうにん)というアンズの種子を使います。
杏仁には北杏仁と南杏仁があり、
杏仁豆腐に使用するのは苦味の少ない食用の南杏仁、
甜杏仁(てんきょうにん)と呼ばれるものです。
甜杏仁は輸入食材を扱うお店などで購入できます。
北杏仁はキョウニンという生薬で、
気管支喘息などに処方される麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、
便秘に有効な麻子仁丸(ましにんがん)などに配合されています。
さて、秋が深まると、気温は徐々に低くなり、
空気が乾燥してきます。その影響によって、
「嬌臓(きょうぞう)」と呼ばれるほど、
寒熱に弱くて、邪に侵されやすく、潤っている状態を好む肺、
そして肺と表裏の関係にある大腸が傷つき、働きが弱まります。
そうなると、咳、痰、のどの痛み、むくみ、くしゃみ、
鼻水、鼻づまり、便秘、皮膚や髪の毛の乾燥などがみられます。
この甜杏仁(性味:平甘、帰経:肺大腸)には肺を潤し、
咳を止め、大腸を滑らかにし、便通を改善する働きがあり、
特に秋の季節に摂りたい食材です。
おうちで気軽にできちゃう薬膳、杏仁豆腐を作ってみませんか。
我が家では亡くなった義母と今は離れて暮らしている
子ども達が好んで食べてくれましたっけ。
2022年9月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子