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<薬膳コラム>
2022年4月15日(金)
【薬膳コラム】せり
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
せりは田んぼの畔や湿地に自生する
セリ科の多年草で、野菜として栽培もされています。
せりの漢名は水芹(すいきん)、
和名のせりの由来は競り合う(せりあう)、
競り出す(せりだす)ように群がって生えるさまから
名づけられた、一所に茂くせまりあうことから「
せまり」が略されて「せり」になったなど、いくつかあります。
中国最古の薬物書である神農本草経にも収載され、
水芹(せり)は味甘、性平、女性の赤沃(せきよく/血尿)を治し、
出血を止め、生命の本質的な物質である精を養い、
血脈(気血が運行する通路)を保ち、気を益し、
人体を肥健ならしめ、食欲を増強させると記されています。
日本でも、万葉集にせり摘みの歌が詠まれるほど
古くから食させてきました。
せりは食味食性が甘辛涼、帰経が肺胃肝
冬にためこんだ、身体に不要なものを排出させる(解毒)
陽気の上昇に伴い、上亢した肝気の流れを正常に戻す(平肝)
身体にこもった熱をとる、体内の余分な水分をお小水で排出する
出血を止める、おりものを止めるよう、働きます。
肝の疏泄(気の流れをよくすること)がうまくいかず、
気が上がっていらいらして、ひどくなると、頭痛、めまい、
のぼせ、目の充血などの症状が現れることがあります。
そんな時、せりを摂り入れて、身体も心も
クールダウンしてみてはいかがでしょうか。
せりの香りが癒してくれるでしょう。
2022年4月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子