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<薬膳コラム>
2022年2月15日(火)
【薬膳コラム】いか
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
2月4日の立春を過ぎて、暦の上ではもう春です。
植物が芽生え、動物が冬眠から目覚めて動き出すように、
暖かくなると、私たちの心も身体も活動的になります。
今の時期はまだ寒い日もありますが、
これから春の風が舞い上がるたびに、
気温も変化しながら次第に上がっていきます。
五行説では、春は肝の季節といわれます。
肝は疏泄(そせつ)といって気の巡りをつかさどり、
血を貯蔵して血流量を調節します。
自然界での陽気の上昇に伴って、人体の陽気が上亢したり、
新年度を迎えるに生活環境の変化がプレッシャーであったり、
新型コロナウイルス感染症の流行後、
行動制限がストレスになったりで、肝の疏泄作用が失調すると、
いらいら、怒りっぽくなる、気の巡りが滞る、
張るような痛みなどの症状が現れます。
また、肝の血の貯蔵や血液量の調整を行う作用が失調すると、
めまい、手足のしびれ、夜盲症、ひきつり、月経不順などが起こります。
本格的な春が訪れる前に、心も身体ものびのびと行動できるよう、
肝を滋養する食物を摂りましょう。
枸杞の実は滋補肝腎という効能を有し、
肝腎の陰液が乏しい時に生じるめまい、
視力減退、目のかすみ、腰膝倦怠を解消します。
肝の血を補う食材には黒胡麻、鰻、さば、帆立貝、
牛・鶏・豚レバー、人参、ほうれんそう、松の実、
いか、牡蠣、たら、まぐろなどがあります。
なかでも、いか(食性食味/平鹹)は
冬の季節の影響を受けやすい腎と
春の季節の影響を受けやすい肝に帰し、
血を養い、陰液を補い、月経不順を改善し、
肝の疏泄作用がうまくいかないと働きを損なう脾の機能を正常にします。
春の飛躍に向けた助走の時期でもある
今から取り入れるとよいでしょう。
2022年2月15日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子