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<薬膳コラム>
2022年1月15日(土)
【薬膳コラム】大寒たまご
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
暦便覧に「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」と、
記される大寒は一年で一番寒さの厳しい時期です。
大寒の始まりに採れた卵は大寒卵と呼ばれています。
今年は1月20日がその日にあたります。
この寒さ厳しい期間に産まれる卵は数少なく、
栄養価が高く、貴重なものです。
そして、大寒卵は食べると、一年間、健康で過ごせる、
金運がアップするともいわれる縁起物なのです。
鶏卵には滋陰、養血、養心、安神、安胎の働きがあります。
栄養面からは、必須アミノ酸を豊富にバランスよく含み、
アミノ酸スコアは100、良質なたんぱく質を有するといえます。
過労や寝不足、加齢などによって陰液(津液と血)が乏しくなると、
のどや口、目の乾き、皮膚の乾燥、手のひらや足の裏のほてり、
お小水の量が少なく色が濃い、便が硬い、微熱が続く、
舌が赤く苔がないなどの症状が現れることがあります。
そんな時、陰液を補って身体の乾燥を潤す、
しかも栄養価の高い鶏卵はよい食物でしょう。
昨年のこの時期はせっかくだからと、
以前、烏骨鶏をお取り寄せしたところに、
大寒卵を注文しました。
まずは最初、卵かけご飯でいただきましたところ、
こくがあって、とても美味しかったです。
烏骨鶏の卵は養肝、益気、安五臓、健脾、補血に働きます。
大寒を過ぎると春へ、肝の季節へ向かう今、
ふさわしい食物ともいえませんか。
やがて、辺りを白く染めていた雪が雨に変わり、
春が近づく気配を感じるようになるでしょう。
忙しく過ぎていく生活のなか、
季節の移り変わりを楽しむ時間が少しあってもいいかなと思います。
2022年1月15日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子