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<薬膳コラム>
2021年7月15日(木)
【薬膳コラム】胡瓜
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
新型コロナウイルス感染症の流行がまだなかった
数年前の夏、胡瓜封じに行ってきました。胡瓜封じ、
胡瓜加持(かじ)は胡瓜を私たちの身代わりに見立て
病気や邪気を封じ込め、病気平癒、無事健康を祈る行事です。
最高気温39度の暑い日、御祈祷後の胡瓜を受け取り、
持ち帰って川に流すか、土に埋めるように教わり、
祈りを込めて、胡瓜を庭に埋めました。
胡瓜は奈良時代頃に伝わりました。当時は黄色に熟してから食され、
黄瓜とも書かれていました。苦くて好まれなかったため、
江戸時代まであまり普及していませんでした。
胡瓜には身体の熱を冷ます、のどの渇きを解消する、
津液(身体に必要な水分)を生み出す、湿邪をお小水で排出する、
体内にたまった老廃物や病邪を取り除く働きがあります。
胡瓜の約95%は水分で、カリウムを多く含みます。
暑いと、ついつい冷たい食べ物や飲み物を口にしがちですが、
瑞々しい胡瓜は暑気祓いするにふさわしいと思いませんか。
胡瓜はサラダや和え物など生のままで用いることが多く、
食性は身体を冷やす寒性なので、冷え症の方や冷房の効いた部屋に
ずっといらっしゃる方、夏でも涼しい時は
食べ過ぎないように気を付けましょう。
亡くなった祖母は育ちすぎた胡瓜をあんかけ煮にしてくれました。
子供の頃は苦手でしたが、何故か味は覚えていたので、
温性の生姜をすりおろしていただきました。
2021年7月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子