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<薬膳コラム>
2021年3月1日(月)
【薬膳コラム】連翹(れんぎょう)
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
春になると連なって咲く黄色い
連翹(れんぎょう)の花を
見かけたことがあるでしょうか。
連翹の原産は中国、日本には江戸時代に渡来し、
広く栽培されている庭園樹です。
連翹の秋に熟した果実を日干ししたものは
レンギョウと呼ばれる生薬で、
強い抗菌作用や消炎、利尿、
排膿、解毒作用があります。
中国最古の薬物学書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう、
しんのうほんぞうけい)」には
「病気を治す治療薬であるが、
毒性が強いものが多いので長期にわたる
服用は避けたほうがよい」という
下品(げほん、下薬ともいう)のひとつとして
収載されています。
レンギョウが配合される主な方剤は蓄膿症や
慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきびなどを治す
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、
にきびなどに用いる清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、
湿疹、特に乳幼児の湿疹などを改善する治頭瘡一方(ちづそういっぽう)、
高血圧に伴う動悸、肩こり、のぼせや肥満症、
むくみ、腹部に皮下脂肪が多くて便秘がちな方に適応する
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)が挙げられます。
連翹には同属のシナレンギョウ、チョウセンレンギョウ、
それら交配種もあります。
連翹は幹が中空なため枝が垂れ、
シナレンギョウは幹が直立しています。
連翹の花言葉は希望、期待です。
今年の春はなにか良いことが起こりますように、
そして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が
終息しますようにと、願わずにはいられません。
2021年3月1日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子