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<薬膳コラム>
2020年10月15日(木)
【薬膳コラム】肉を美味しく
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
牛肉は気や血を補い、脾を健やかにし、筋肉や骨を強くする働きがあり、
気血ともに虚弱になったとき、暑くないのに汗がだらだら出てしまうとき、
疲労、体力低下、足腰の衰えを感じるときに摂るとよいとされています。
牛肉はたんぱく質や脂質、鉄分や亜鉛、ビタミンB₂などの栄養素を有しています。
たんぱく質に必須アミノ酸がバランス良く含まれているかを示す
アミノ酸スコアというものがあります。牛肉はアミノ酸スコアが満点の100で、
非常に良質なたんぱく質を含む食物であるといえます。
薬膳では以臓補臓といって、弱っている臓腑を動物の同じ臓器を
用いて補う方法があります。牛肉の心臓、胃、レバー、大小腸、
腎臓などがその例です。
このように元気になれる牛肉で、胃もたれする方が多くいらっしゃいます。
前回の薬膳コラムでは、中医学の消化薬を挙げていきました。
食物のなかにも消化不良を改善するものがあります。
牛肉に限らず脂っこい肉料理の消化を助けるものは、
前回も挙げた山楂子(さんざし)、パイナップル、
ウーロン茶、プーアール茶などです。酢豚にパイナップルというのは、
ありか、なしか、意見が分かれるところでしょうが、
肉類の消化不良を解消するという薬膳的特長から、ありだと思いませんか。
パイナップルに含まれる消化酵素プロメリンは60度以上の熱で消失するので、
調理の仕上がり直前に混ぜ込んで火を止めるとよいでしょう。
ウーロン茶やプーアール茶も油脂による消化不良に適します。
こってりした中国料理とともに飲むのは、こうした理由があるからなのですね。
2020年10月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子