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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2020年8月15日(土)

【薬膳コラム】大豆とその加工食品

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
 

大豆は枝豆、豆腐、豆乳、湯葉、納豆、煮豆、煎り豆、
きなこ、大豆もやしなどの食品や味噌、醤油などの調味料、
油にもなる、日本人の食生活に身近な食材です。
 
 

 枝豆は大豆が未成熟の青いうちに収穫されたものです。
豆乳は大豆を水に浸けて砕いて熱して搾った液体で、
豆腐の原料や飲み物になります。豆乳を取った搾りかすがおからです。

豆乳を熱したときに表面にできる皮膜をすくったのが湯葉で、
豆乳をにがりなどの凝固剤で固めたものが豆腐です。


豆腐に手を加えたものには、焼き豆腐、油揚げ、がんもどき、
厚揚げ、高野豆腐などがあります。


納豆は蒸し煮した大豆を納豆菌で発酵させたものです。
節分でまかれるのは煎った大豆で、その煎り豆を粉にしたのがきなこです。

もやしの中でも、大豆からできるのが大豆もやしです。
 
 
 
 食物性味表(日本中医食養学会・編著)より
食材名  性味  帰経  効能
大豆 平/甘 脾大腸 健脾、補気、寛中、消腫、解毒
豆乳 平/甘 肺脾胃大腸 補虚損、生津、清肺、化痰、通淋、通乳
湯葉 平/甘淡 肺胃 益胃、清肺、止咳、化痰、止汗
豆腐 寒/甘  脾胃大腸 和中、益気、寛胸、生津、清熱、散血
納豆 温/甘 脾肺 健脾、補気、寛中、袪瘀、通便、解毒
大豆もやし 涼/甘 脾胃膀胱 清熱、袪湿、袪疣(きょゆう/疣はいぼ)
   
  
 
温めも冷やしもしない平性の食材である大豆が、
豆乳を凝固剤で固めた豆腐になると身体を冷やす寒性、
蒸し煮した大豆を発酵させた納豆が身体を温める温性、
大豆から芽が出た大豆もやしが涼性に変わるのも、
大豆から派生した食品がそれぞれ異なった
薬膳の効能を持つのも興味をそそられます。



 暑い日には身体の余分な熱を取り除く冷ややっこや
大豆もやしを取り入れた和え物などを召し上がるといいですね。


冷え性の方やクーラーの効いた部屋にいる方は薬味や
スパイスを加えるとよろしいかと思います。


 豆乳や湯葉は肺の熱をさまします。
豆乳は夏ばてや発汗などにより消耗した気や津液を補い、
口の渇きを癒し、から咳を止め、湯葉は痰や咳を鎮めます。


暑熱が残り、空気の乾燥が始まる温燥(おんそう)という
これからの時季にこそ、食卓に取り入れてはいかがでしょうか。
(参考/農林水産省 大豆のまめ知識)


 2020年8月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子