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<薬膳コラム>
2020年5月1日(金)
【薬膳コラム】竜眼肉(りゅうがんにく)
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
皆様は竜眼肉(りゅうがんにく)という
生薬をご存知でしょうか。
竜眼肉はムクロジ科リュウガンのいう
植物の仮種皮(果肉)で、果肉に潤いがあり、
柔らかく、味は甘いものを良品とします。
種が竜の眼みたいだから、その名が付いたという説があります。
乾燥した竜眼肉は干しぶどうのような、食べておいしい生薬です
(参照/リュウガンニク写真 ヨーグルトにのせて)。
中国食材を扱っているお店で見つけたシロップ漬けの
缶詰の竜眼肉は形も食感もライチによく似ていました
(参照/リュウガンニク写真2 杏仁豆腐のトッピングに)。
この生薬は心の血を養う、精神や思考を安らかにする、
精神不安や情緒不安を楽にする、脾の気を補う働きがあります。
心は血脈や精神、意識、思考をつかさどり、
脾は消化吸収に働き、気血を生み出します。
この心と脾が虚弱になった状態は
心脾両虚(しんぴりょうきょ)といい、
長期にわたる病気、食事の不摂生、慢性出血による気血の消耗や、
いろいろと思いを巡らせて、あれこれ考えすぎるのも原因となります。
新型コロナウイルス感染症の影響により、不安を感じ、
ストレスを抱え、肉体的に精神的にくたびれていませんか。
動悸がする、ぐっすり眠れない、物忘れをする、食欲がない、
おなかがはって便がゆるいという方もいらっしゃるでしょう。
竜眼肉の入った加味帰脾湯という方剤は虚弱体質で
血色の悪い人の貧血、不眠症、精神不安、
神経症に効果があります。心身の疲れや弱りを感じる方は、
竜眼肉だけでもドライフルーツのようにそのまま、
あるいは料理やお茶に取り入れてもよいでしょう。
竜眼肉は生薬を扱っている薬局や中国食材店で購入できます。
2020年5月1日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子