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<薬膳コラム>
2020年4月15日(水)
【薬膳コラム 】たけのこ
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
まだ寒さの残る時期に九州や四国で
早々と採れたたけのこを野菜売り場で見かけると、
春の訪れを知ることができます。
私の住む地方でのたけのこの最盛期は
ゴールデンウイークの頃です。
日本列島を進む桜前線とともに、
温暖な地域から始まる季節の移り変わりを
楽しめるこの時期が好きです。
暖かくなるにつれて、人も活動的になれる季節です。
たけのこは一般的な孟宗竹(もうそうちく)などが
地面から出てきた芽の部分を食用とします。
たけのこは竹偏に旬と書き、文字通り、
旬が短く竹になってしまうという
意味があると伝え聞きました。
たけのこの食性は寒、食味は甘、帰経は胃大腸です。
たけのこは身体の余分な熱を冷まし、
春の陽気の上昇に伴ってみられるのぼせやほてり、
ふらつきを改善に導きます。水分代謝がうまくいかなくて
体内にたまった痰を取り除き、お小水の出や便通をよくし、
むくみや便秘を解消します。
解毒作用によって、冬の間に体内にたまった老廃物や
毒素の排出にも働きます。
こうしてみると、その時季にその場所で
採れる旬の食物はその時季の人体に必要なものと思いませんか。
身体を冷やす性質があるので、木の芽や生姜、からしなど、
薬味や香辛料といわれるような身体を温めるものを
組み合わせるようにしましょう。
掘り取ってから早めに米のとぎ汁や重曹であく抜きし、
脾胃の弱い方は生で召し上がったり、
食べ過ぎたりしないように気を付けましょう。
2020年4月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子