一覧

  • 薬膳とは
  • 薬膳キャンパスの活動
  • 講座情報
  • イベント情報
  • メディア情報 活動実績
  • お知らせ コラム

HOME > お知らせ・コラム一覧 > 【薬膳コラム】あさり

お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2020年3月15日(日)

【薬膳コラム】あさり

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。


 店頭で年中見かけるあさりには旬があります。
5~6月と10月の産卵盛期を迎える前、ちょうどこれからが
その時期にあたり、タウリンやベタインなどのうま味成分が増えるのです。
機能成分でもあるタウリンは抗動脈硬化や肝臓の解毒機能強化、
ベタインは肝機能強化や胆汁産生の促進に働くといわれています。



 あさりの薬膳としての働きのひとつに、血を補うこと(補血)が挙げられます。
春になると、自然界に陽気が増えて、動物が冬眠から目覚め、
草木が芽吹きます。人も活動的になり、肝に負担がかかります。
肝の血液の貯蔵と血流量の調整をつかさどる働きが弱まると、
めまい、手足のしびれ、ひきつり、眼精疲労、月経不順などの症状が現れます。
血を補って、肝を養い、臓腑や組織に栄養を与えましょう。



 また、イライラする、怒りっぽくなる、鬱々とするなど
情緒不安におちいることが春にはありがちです。
肝の疏泄(そせつ)をつかさどる働きがうまくいかなくて、
気の流れが悪くなるからです。血は精神や思考能力を維持する
働きを持つので、やはり血を補うことも回復の手立てとなります。
あさりには安神(あんじん)といって神(精神や思考)を安らかにする、
精神不安や情緒不安を楽にする働きもあります。
そして、あさりは身体の余分な熱を冷まし(清熱)、
煩熱、煩渇、煩躁を取り除き(瀉火)、かっかしている身体と心を鎮めもします。


ご自身やご家族など召し上がる方の体質や体調、症状を見極めて、
他の食能をもつ食物と合わせる、あさりは身体を冷やす寒性なので
必要ならば身体を温める食物を加える、相応しい調理法を選択するなど、
あさりを取り入れた薬膳は無限です。


食事によって身体と心が健やかでいられるなんて、
素晴らしいと思いませんか。食養生の知恵を知ると、
生き方も変わるかもしれません。


紡ぐしあわせ薬膳協会は、今年も中医薬膳指導員資格取得講座の
受講生を募集いたします。事前説明会も行われます。
詳しくはお問い合わせくださいませ。


2020年3月15日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子