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<薬膳コラム>
2019年12月1日(日)
【薬膳コラム】お酒は楽しく健やかに
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
12月になり、忘年会やクリスマスのパーティ、
年末年始の集まり、新年会など、お酒をのむ機会も多いかと思います。
「とりあえずビール」。ひょっとして、死語でしょうか。
若い頃に参加した飲み会では選ぶ余地もなく一杯目はビールでした。
お酒を飲めない人や体調の悪い人などは遠慮がちにソフトドリンクを注文し、
時には今ならアルコールハラスメントにあたる行為もあったように記憶しています。
薬膳的見解からいいますと、ビールには健胃作用があるので、
食事の始めのビールは理にかなってはいます。
アルコール類のなかで、唯一ビールは身体を冷やす寒の食性を持ち、
夏の暑気払いにビールを飲むといいでしょうが、
寒い今の時季には不向きと思われます。
我が家ではおなかを冷やしたくないので、
夏でも常温のビールを飲んでいます。
他はというと、蒸留酒のウイスキー、焼酎は熱性で陽気を補う、
寒邪を散らすことにより、冷えの症状を緩和し、醸造酒の日本酒、
紹興酒やワインは温性で冷えた身体を温めます。
ウイスキー、焼酎、ビールには解鬱(げうつ)、醸造酒は理気(りき)、
ワインには疏肝(そかん)、理気、解鬱の働きがあり、
うつうつとして滞った気を巡らせ、ストレスをはらします。
これらが発揮されるのはあくまでも適度な飲酒の範囲内で、
過度の飲酒やお酒を飲めない体質の人なら、かえって体調を損なうでしょう。
薬膳では酒毒を取り除く、二日酔いを解消させる食物があり、
枝豆、オレンジ、柿、かぼす、グレープフルーツ、ゆず、
しじみ、たら、珈琲などがそうです。
お酒を飲む時は自分の適量を知って度を超えない、
人に飲酒を強要しない、飲めない体質の人がいることを理解し、
せっかくの宴を、お酒を飲める人も飲めない人も楽しく過ごしたいですね。
2019年12月1日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子