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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2019年10月1日(火)

【薬膳コラム】かき 柿蔕(してい)

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。


「柿が赤くなれば医者が青くなる」という
ことわざがあります。柿は秋の乾いた空気の
影響を受けやすい肺を潤します。
津液不足による乾燥症状を解消し、
身体の余分な熱を取り除く働きがあり、
から咳、口の乾き、口内炎や発熱、
熱による下痢、酒酔いによいとされています。


栄養の面からみると、柿はβカロチンや
ビタミンCが豊富で、βクリプトキサンチン、
リコピン、タンニンなどを含む果物であり、
風邪の予防も期待できそうです。

 


ただし、柿は寒性の食物なので、脾胃を動かす
気が不足していてお腹や身体が冷えている人は
食べ過ぎないようにしましょう。


干し柿にすると、食性は冷やすことのない平に変わり、
肺を潤す作用の他に、脾胃の機能が正常になるよう
働きかけ、渋り腹を改善します。


柿の若葉もビタミンCが豊富で、晩春から初夏に
摘んだ葉を数分蒸した後、乾燥させ、お茶にして飲みます。


柿の葉にはから咳、痰を治める、喘息を鎮める、
津液を生み出す、出血を止める働きがあります。
また、普段食する時に捨てている柿のへたは
柿蔕(してい)という生薬になります。



この柿蔕と丁香(ちょうこう、チョウジノキの花蕾)、
生姜(生薬名はしょうきょう)を配合したのが
柿蔕湯(していとう)という方剤であり、
胃が冷えている時のしゃっくりに効きます。


本来、胃の気は下に降りるのが正常で、
冷えて上逆するのです。柿蔕は横隔膜の
けいれんを鎮める働きを持ち、
単味で煎じても充分ですが、クローブ(丁香)、
ジンジャー(生姜)のスパイスを加えて
おなかを温めると、さらに効果が発揮されます。



2019年10月1日

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子