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<薬膳コラム>
2019年9月15日(日)
【薬膳コラム】さつまいも
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
収穫の秋となりました。季節を感じながら、
野菜、果物や魚介類など旬のものをいただいています。
「普段の食事も薬膳ですか?」とよく尋ねられます。
調理する食物がどのような働きするのかを知ったうえで、
献立を組み立てるように心掛けていくと、
旬のものの多くはその時季の身体に必要と感じます。
先日、初物のさつまいもをいただきました。
家族が中学生の頃、友人と休耕田に大量の肥料を投じて、
さつまいもを育てたところ、葉がたくさん茂ったので、
いももたくさん出来たはずと掘ってみると、
貧弱なものばかりだったという話をしてくれました。
さつまいもは痩せた土地でも育つ繁殖性の高い植物と
伝え聞いています。肥沃な土地がかえってよくなかったのでしょうか。
栄養過多が病気の誘因となることもあり、人体にとっても考えどころです。
さつまいもは消化吸収をつかさどる脾と胃の働きをよくします。
猛暑の夏、冷たいもの、生ものの摂り過ぎなどで傷んだ、
気血生化の源でもある臓腑の機能を正常にすることで、
気を益し、津液を生み出し、暑い夏の間、
発汗で消耗した気と津液を補充していきます。
また、さつまいもは腸の働きを穏やかにし、お通じをよくします。
秋も深まり、空気が乾燥していくと、肺の機能低下がみられます。
肺と表裏関係にある大腸も同様で便秘がちになるので、
そのような時に、さつまいもを召し上がると
よろしいかと思います。さつまいもは身体を温めも
冷やしもしない平の食性、補益する甘の食味で、
ビタミンやミネラルも豊富です。
暑い夏を過ごして弱った身体をいたわってくれるでしょう。
2019年9月15日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子