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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2019年1月15日(火)

【薬膳コラム】牡蠣(かき ぼれい)

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊千鶴子です。

 牡蠣が美味しい季節ですね。牡蠣(マガキ)は産卵期の5~8月を過ぎればその後成熟していき、旨みが増していきます。
 はまぐり、あさりなど二枚貝の多くは自由に動けますが、牡蠣には稚貝の時、岩などにはりつくと動けなくなるという特徴があり、それを活かして養殖されています。

 牡蠣は人体に必要な水分と血を補い、神経を鎮めて動悸、不眠などを解消し、体力増強に働く、
心身を健やかにする食薬といえます。そして牡蠣はグリコーゲンやタウリン、アラニン、グリシン、
プロリン、グルタミン酸などアミノ酸、ビタミンB1、B2、B12、亜鉛、銅、セレン、マンガンなど
ミネラルを豊富に含んでいて、栄養価の高い食物でもあります。


 イタボガキ科のマガキ、イタボガキその他の同属動物の貝殻はぼれい(牡蠣)と呼ばれる生薬で、通常は岩に付着する大きくふっくらした左殻が利用されます。中国最古の薬物書「神農本草経」にも命を養う上品として収載されており、身を食べた後の殻までが古くから利用されていたと推察できます。その主成分は炭酸カルシウムで、鎮静、収斂(しゅうれん:出過ぎる汗を止めるなど身体に必要な水分の漏れを引き締める)、制酸(せいさん:胃酸過多を抑える)などに働きます。牡蠣と竜骨(りゅうこつ:古代の大型動物の化石)は重量があって、精神不安を落ち着かせる重鎮安神薬(じゅうちんあんしんやく)として、ともに桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこくぼれいとう)、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)に配合されています。その他、牡蠣の入った方剤には柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、安中散(あんちゅうさん)などがあります。


平成31年1月15日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子