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<薬膳コラム>
2018年11月1日(木)
【薬膳コラム】美肌への一歩
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
冷たい風が吹く今日この頃、肌の乾燥やかさつき、肌荒れなど肌のトラブルが
気になる方がいらっしゃるかと思います。秋の乾燥した空気が邪となる
燥邪(そうじゃ)の影響を受けやすいのは、五臓のうちでは肺です。
五行説に基づくと、大腸は肺の腑(ふ)、鼻は肺と外界を結ぶ感覚器官、
皮膚は肺からの栄養状態があらわれるところ、皮毛(ひもう:皮膚とうぶ毛、
汗腺や皮脂腺を含めた皮膚表層)は肺の精気が現れるところです。燥邪が抵抗力の
弱まった人体に侵入すると、肺だけでなく、肺とつながりのある大腸、鼻、
皮膚にも影響が及び、例えば、咳や痰、のどの痛み、便秘、鼻水、鼻やのど、
口の乾きなど、そして最初に挙げた肌の乾燥やかさつき、肌荒れなども
現れやすくなります。さらに気温が低くなると皮膚の?理(そうり:毛穴のこと)が
閉じて汗をかかなくなり、余計に皮膚が乾燥してきます。
空気の乾燥するこの季節でも美しい肌を保つには、潤いを与える
お手入れをする、十分な睡眠を取って疲れをためない、無理なダイエットをしない、
そして肺、皮膚と密接な関係にある大腸に負担をかけないように便秘しないなど、
生活面で心掛けましょう。肌に必要な水分を補うには、水を飲むよりも肺を潤す食物である
やまいも、蜂蜜、銀杏、胡麻、落花生、白きくらげ、百合根、柿、かぼす、すだち、
梨、りんごなどを取り入れてみるとよいのではないでしょうか。これらの食物を摂ることは、
から咳、鼻やのど口の乾き、便秘などの予防や改善にもつながります。食物で身体に
必要な潤いを与える、これが薬膳、美肌へも一歩近づけます。
平成30年11月1日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子