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<薬膳コラム>
2018年8月15日(水)
【薬膳コラム】豆野菜でまめに暮らす
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
十六ささげをご存じでしょうか。十六ささげはささげの一種で、
さやいんげんを細長くしたような、そのさやの長さは30~50センチ程、
約16粒の豆が入っていることから名付けられたと伝え聞きました。
産地によっても呼び名が異なるようですが、このささげの若いさやは
軟らかく火が通りやすく、さやごと食用にします。
中国のスーパーで十六ささげのようなものが山積みで売られているのや
タクシーの窓越しに畑でなっているのを見ました。
愛知や岐阜の伝統野菜といわれるそれらを異国で見つけた時、
懐かしさや親しみの気持ちが湧き出ました。
さて、今日は8月15日、お盆休みを利用して帰省してらっしゃる方、
ご家族と過ごす方、お仕事の方もいらっしゃるかと存じます。
慌ただしいお盆が過ぎると、やがて二十四節気(にじゅうしせっき)では
「暑さが落ち着いて収まる」という処暑(しょしょ)を迎え、
これからは残暑の合間に秋の兆しを感じるようになります。
この時期に収穫される豆野菜には先程の十六ささげなどのささげ、いんげんまめ、
ふじまめ、枝豆などがあります。これらは夏の間に弱まった脾(ひ)の消化吸収の働きを促進します。
いんげんまめ、ふじまめ、枝豆は脾が嫌う湿(体内の余分な水分)を排出させます。
脾が健やかであれば、気血津液を生み出し、それらを全身に行き渡らせるので、
身体も健やかに元気でいられます。さらにいんげんまめ、ふじまめは暑の邪気を取り除く働きもあるので、
旬の食材はその季節に必要な食材であるとわかっていただけるかと思います。
枝豆は脾の消化吸収を正常にする、摂り過ぎた水分を排泄させる、
生命活動を維持するために必要な気と血を補う、腎に蓄えられるエネルギーを補う働きを持っていて、
夏の脾胃の弱りや疲労によく、食物繊維も豊富なのでお通じもつきます。
家族がそろった食卓には、大皿に盛った枝豆も並ぶでしょうか。
豆野菜でまめに暮らし、また元気な姿を見たい、見せたいものです。
平成30年8月15日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子