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<薬膳コラム>
2018年7月15日(日)
【薬膳コラム】暑い夏を快適に
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
梅雨が明けると、本格的な夏となります。
皆様は暑いのと寒いのでは、どちらがお好きですか?
中医学では生薬や食材がどんな働きがあるのか、身体を温めるのか冷やすのかがわかっています。
酸(さん)、苦(く)、甘(かん)、辛(しん)、鹹(かん)に分類される五味は
食べた時の味という意味だけでなく、身体にどう働くかを示します。
熱(ねつ)、温(おん)、平(へい)、涼(りょう)、寒(かん)に分類される五性は
身体を温めるか冷やすかの度合いをあらわします。熱と温は身体を温め、涼と寒は身体を冷やし、
温めも冷やしもしないのが平性で、熱は温より身体を温め、寒は涼より身体を冷やします。
さて、夏は一年のうちで一番気温が高く、湿気を伴う季節です。暑いと、アイスクリームや氷の入ったジュース、
冷えたビールなど、冷たいものを食べたり飲んだりしますよね。ついつい摂り過ぎるとおなかを冷やして
腹痛や下痢が起こったり、胃腸の働きが弱くなって食欲不振におちいったり、夏ばてになったりします。
こんな暑い時には、身体を冷やす性質のある寒涼性の食材を取り入れてみませんか。
例えば、きゅうり、冬瓜、トマト、なす、苦瓜、すいか、緑茶などで、これらの食材は身体の余分な熱を冷まし、
暑の邪気を取り除きます。今が旬のものが多く、寒い冬の季節にはなるべくなら控えてほしい食材ともいえます。
また、調理も揚げる、炒める、焼く・煮る・蒸す、茹でる、生食と加熱の仕方によって
身体を温める度合いが違ってくるので、体内に熱がこもらないように調理法も工夫してはいかがでしょうか。
ですが、元々冷え性の方、冷房の効いた部屋で過ごす方、夏でも涼しい避暑地にお住まいの方、
比較的健康な方でも気温の低い日に、寒涼性のものや生ものを摂り過ぎると、冷えて胃腸の調子を損ねます。
食を通して、自分の身体と向き合い、体質や体調を知り、暑い夏を快適に過ごしましょう。
平成30年7月15日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子