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<薬膳コラム>
2018年5月15日(火)
【薬膳コラム】元気がない時の食養生
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
中医学では気血(けつ)津液(水ともいう)は人体を構成する基本物質であり、
臓腑や経絡など体内の組織器官の生理活動に必要なエネルギーの基(もと)となります。
気には血や津液、臓腑を動かす推動(すいどう)作用、身体を温める温煦(おんく)作用、
外邪の侵入を防ぐ防御あるいは防衛作用、異常な発汗や出血などを抑える固摂(こせつ)作用、
体内で物質の代謝を行う気化の働きがあります。
気が不足している状態を気虚といいます。気が虚すると気が十分に働けないので、
疲れやすい、体力がない、朝なかなか起きられない、食欲がわかない、食後すぐ眠くなる、
栄養が全身に回らない、便がゆるい、息切れがする、声に力がない、風邪をひきやすい、
汗が出やすいなどの症状が現れます。
気を補う食材を挙げると、うるち米、もち米、さつまいも、じゃがいも、やまいも、
大豆、カカオ、銀杏、なつめ、アスパラガス、エシャロット、枝豆、えんどう豆、
空豆、かぼちゃ、とうもろこし、舞茸、アボガド、ぶどう、穴子、いわし、鰻、
かつお、たこ、ぶり、まぐろ、鶏肉などがあります。
もともと脾胃の弱い方、あまり食欲のない方は冷たいものや脂っこいものは
なるべく避けて、消化の良いものを摂り、温かく、具材が軟らかくなる調理法を
心掛けましょう。また食べ過ぎると、脾胃に負担がかかり、かえっておなかがはったり、
食欲不振に陥ったりするので、気をつけましょう。紫蘇、せり、セロリ、たまねぎ、
ピーマン、かじきまぐろ、鮭、ジャスミンなど、気の巡りを良くするものや
芳香性のあるものを取り入れてもよいでしょう。
新しい環境での生活に慣れるのに気を遣い、気が不足している方は
身体がだるくて、やる気がでないという五月病になりやすいです。
十分な睡眠をとって疲れを残さず、お休みの日には心と身体を
のんびりゆったりさせてみませんか。
平成30年5月15日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子