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<薬膳コラム>
2017年12月1日(金)
【薬膳コラム】師走
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
師走に入りました。一説には師僧(お坊さん)が
お経をあげるために東西を馳せ走るので、
12月をそのように呼ぶと伝え聞いています。
きっと、多くの皆様も年越しに向けて慌ただしく
過ごしてらっしゃることでしょう。
年末の疲れや寒さのせいでしょうか、
体調を崩される方が多いようです。
気温の低い冬は寒気が邪となって、人体に侵襲します。
寒邪という病邪は陽気を傷つけ、陽気を減らし、
身体を温める(温煦・おんく)作用や体表の防御作用を
低下させます。悪寒が起こり、身体の抵抗力が弱まって、
風邪をひきやすくなったり、おなかの痛み、腰痛や
関節痛など冷えを伴う様々な症状が現れたりします。
中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」には
冬の間は少し早く寝て、少し遅く起き、身体を休ませましょう、
寒さを避けて温暖に保ち、汗をかくほどの運動は慎み、
陽気を漏らさないようにしましょうと記されています。
身体を温めるには生姜、にら、ねぎ、海老、まぐろ、
鶏肉、シナモンなどを取り入れるとよいでしょう。
また年末年始にかけて、ごちそうを召し上がる機会が多いかと思います。
この時期によくみられる腹痛、下痢、嘔吐などの症状が
現れる胃腸風邪はウイルス感染が原因とされていますが、
未消化のものが消化管内に停滞した食積があるとかかりやすくなります。
せっかくの楽しい宴で食べ過ぎないようにとお伝えするのは酷な話ですので、
もし食べ過ぎたとしても、次の日の食事は控えめにしてはいかがでしょうか。
今年もあとひと月、新しい年を心身ともに健やかに迎えたいですね。
平成29年12月1日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子