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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2017年8月15日(火)

【薬膳コラム】現代に生きる古典

 国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

今日はお盆休みを故郷でお過ごしの方もいらっしゃるかと思います。
先祖を敬い、故人を偲ぶ日に、歴史をさかのぼった話をしますので、
お休みの方もお仕事の方もしばしお付き合い下さいませ。


 今から2千年以上も前、中国に黄帝(こうてい)という伝説上の帝王がいました。
彼の名を配した「黄帝内経(こうていだいけい)」は前漢時代には存在したとされる
中国最古の医学書です。後に編纂され、現代に伝わる「黄帝内経」とは
「素問(そもん)」「霊枢(れいすう)」を合わせたものであり、
「素問」は医学理論や養生法について、「霊枢」は臨床医学に重点を置いて記述されています。


 「未病(みびょう)」という言葉を一度は耳にしたことがあるかと思います。
未病が初めて使われたのはこの黄帝内経で、病気にならないうちに予防することを説いています。

また「女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢で身体が変化する」ともいわれています。
これも黄帝内経に書かれています。以下、要約です。女性は7歳になると永久歯が生え髪も伸びる、
14歳では月経が始まり、21歳で身体が成熟し、28歳が身体の最も充実する時期です。
35歳になると顔がやつれだし髪も抜けやすくなり、42歳では白髪が目立ち始め、49歳で閉経します。
男性は8歳で髪が伸び永久歯が生え、16歳で生殖能力が備わり、24歳で身体が成熟し、
32歳で筋骨や肌肉が強壮になって身体が最も充実します。40歳になると髪が抜け始め歯も弱くなり、
48歳で顔がやつれ白髪が混じり、56歳で肉体の衰えが進み、64歳で歯も髪も抜け落ちます。


 成長、発育、生殖機能の成熟と衰弱、老化において、2千年を経ても人の身体は
それほど変わっていないと思いませんか。
黄帝内経では養生をわきまえている人なら肉体は容易に老いず、
高齢でも子を産むことができるとも記されています。
自分の心と身体に向き合い、養生すれば健康に長生きできるとは現代人にとっても明るい啓示のようです。

 養生法の提案を今後も折々、お伝えしていきます。次の掲載は9月1日です。



平成29年8月15日

国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子