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<薬膳コラム>
2017年4月1日(土)
【薬膳コラム】 サクラサク 五味の調和
国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
新年度にあたって、今日4月1日から入学、進級、新入社、転勤など新しい場所で
過ごす方も多いかと思います。 そこでは桜は咲いていますか。美しく花開く桜も
あなたを見守る誰かと同じくらい門出を祝い、応援しているはずですよ。
? この時期は環境などに変化が多く、身体も心もふわふわして気持ちが
落ち着かなくなることがあります。
? 中医学では生薬や食材がそれぞれ身体を温めるのか冷やすのか、
どんな働きがあるのかがわかっていて、 四性(平を加えると五性)
五味で分類されます。四性(四気ともいう)は身体を温める度合いが
強い順に並べると 熱(ねつ)、温(おん)、平(へい)、涼(りょう)、寒(かん)で、
熱と温は身体を温め、涼と寒は身体を冷やし、 温めも冷やしもしないのが平性です。
五味は酸(さん)、苦(く)、甘(かん)、辛(しん)、鹹(かん)で、
食べた時の味という意味だけでなく、身体にどう働くかも示しています。
?春は肝の働きが活発になる季節で、酸味が肝を養います。
梅、醸造酢や柑橘類などです。 苦味には余分な熱を冷まし、解毒する働きがあり、
ふき、ふきのとう、たらの芽、うど、よもぎなど 苦味のある山菜や野草は
春の陽気の上昇とともに現れるほてり、めまい、のぼせなどを鎮め、
冬の間に身体に溜め込んだ老廃物を排出してくれます。
春の初めは陽気が高ぶり陰液が損なわれてしまいます。
鹹味を含む食材には陰を補うものが多いですね。
あわび、いか、はまぐりなどが挙げられます。 気の巡りが悪く、
気もふさぎがちな時は辛味の食材で発散させましょう。
また春は冬よりも活動的になって疲れも出やすいので、消化機能を
助けて疲れにも良い 甘味を取り入れるのもよいかと思います。
穀類、いも類、豆類などがそうです。 これら五味はいずれも
摂り過ぎや偏りを避けましょう。
食材の性味や働きを知りたい時、
「現代の食卓に生かす『食物性味表』」(改訂2版、日本中医食養学会・編纂)が
あると便利ですね。 最後までお読み下さいまして、ありがとうございました。
次回のコラム掲載日は4月15日です。
平成29年4月1日 国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子